(内容としては2011年に書いた記事の改訂および改良になります)
まずはお約束の一文。
これからご紹介するのは管理人が自身で育てているベランダの植物(主にバラ)の
うどんこ病対策として実際に行っている方法です。我が家ではうどんこ病の治療と
その予防に絶大な効果を発揮しておりますが、みなさまのお育てになっている植物
への効果を、保証するものではございません。
実施するにあたってはくれぐれも各人の判断と責任において、お試しいただけます
よう、お願い申し上げます。
なお、うどんこ病に対する「米ぬか」の効果と一般的な使い方に関する詳細は検索
すればいくらでも出てまいると存じますので、ここでは割愛させていただきます。
Duras がバラのうどんこ病の治療&予防に「米ぬか」が効果的であるという情報を
得たのは2011年の春のことでした。
それは『うどんこ病の葉に薄い砂糖水を塗り「米ぬか」をまぶし数日後に洗い流す』
という方法で「非常に効果が高く、うどんこ病が短期間で完治し、その後しばらく
うどんこ病にかかりにくくなる。」と紹介されていました。
さっそくやってみましたところ、確かに効果はすばらしいものがありましたが
次の3点から、ベランダでの使用には向かないと判断せざるを得ませんでした。
- 米ぬかをまぶしたバラがあまりにも見苦しい
- 米ぬかが張り付いてしまうため洗い流す手間が思った以上にかかる
- 周囲に散らばる米ぬかが、排水溝を詰まらせたりしないか気になる
それでも、うどんこ病に対する「米ぬか」の治療&予防効果がすばらしかったため、
これらの問題点をクリアする方法はないかと考えた結果と、この8年間可能な限り
簡略化してたどり着いたのが、これからご紹介する「ぐうたら米ぬか使用法」です。
さて、うどんこ病に限らず病気の対処は早いにこしたことがないのですが、
どの程度までなら「初期」と言えるのでしょうか。
Duras的に勝手に想定しているうどんこ病の進行ステージは以下の通りです。
葉の表面のわずかな隆起(若い葉の縁などが微かに波打つ)
残念ながらこの段階で気が付くことはほとんどありません。
風邪の引き始め、あとから思うと少し体調が悪かったかも?
…という段階でしょうか。
菌糸の成長が肉眼で見えるようになり白斑状の菌糸群が発生
基本的にはこのあたりが発見できる一番「初期」の段階です。
株全体に白斑状の菌糸群が散らばる
はっきりとした症状が出始め、できるだけ早い処置が必要に
なります。
菌糸群が白斑状ではなく面で広がる(葉の表面を覆う)
かなり重症です。治療後も影響が残ると思われます。
ステージ3:リベルラの若葉
実は我が家では、ステージ3までのうどんこ病しか経験がありません。
そのため、ステージ4以降のうどんこ病に対して、どの程度の治療効果が
期待できるのかはっきりしたことは分りません。
先日(4/30)のうどんこ病は[カフェラテ]のステムと、[シェリル]の
若葉にそれぞれ1カ所の白斑があったので、Duras 的分類ではステージ2。
上の画像の[リベルラ]は、既に葉の全体に複数の白斑がある状態なので
Duras 的分類ではステージ3になります。
そして、ステージ3までであるならば「ぬか水」での治療が簡単なために、
Duras 的にはステージ3までが、うどんこ病の「初期」です。
ステージ3までの初期のうどんこ病は、通常1回の散布で完治します。
また、5月~6月中に1回散布した場合、その後秋までは2度目の散布が
必要になったことがありません。
鉢数が少なく風通しの良い環境であることを考えると全てが「米ぬか」の
うどんこ病予防効果のおかげとまでは言えないのでしょうが、我が家では
初夏、最初のうどんこ病発症にあわせ、すべてのバラに「ぬか水」の散布
を行うことによって、そのシーズンの治療と予防を終わらせています。
最も、本来であれば、うどんこ病の発生前に発生条件が整う時期に合わせ
予防散布をしておけば良いのでしょうが…。
前置きが長くなりました。
実際の「ぐうたら米ぬか使用法」の説明に入ります。
【用意するもの】
- 米ぬか大さじ1(生ぬか、いりぬか どちらでも良い)
- コップ1杯の水(200㏄くらい)
- ふきん(または厚めのキッチンペーパー数枚)
- 霧吹き(容量1Lくらいでスプレーの範囲を調整できるもの)
【手順】
- 米ぬかを水に入れ良く攪拌し、しばらく置く(1時間くらい放置)
- ふきん(またはキッチンペーパー)で上澄みを濾す
- 濾した「ぬか水」に水を加えて1Lの薄い「ぬか水」を作る
- 霧吹きに入れて、バラの株全体にしっかりと吹き付ける
手順2で、米ぬかを濾すときに、ふきん(キッチンペーパー)は絞りませ
ん。また、容器の底に沈んだ米ぬかは入れず、上澄みだけを使います。
どちらも、米ぬかによって霧吹きを詰まらせてしまわないための用心です。
(濾す前に200㏄ほどあった水は150㏄くらいになります)
うどんこ病の菌糸による白斑が大きなものや症状が重い場合には、濾した
後のふきん(orペーパー)に包んだ「ぬか」で軽くたたくようにして濃い
「ぬか水」を患部に塗布します。
なお、散布は晴れた日の午前中…が理想的ではありますが、特にこだわる
必要はないようです。そもそもうどんこ病が発生する条件を考えてみれば
カラッと晴れた良いお天気でないことの方が当たり前で、そんなお天気を
待っている間に、うどんこ病が進行してしまいます。
うどんこ病の発生を確認しだい、できるだけ早く対処することの方が重要
なので、たとえ雨が降っていたとしても、軽く雨の雫が当たる程度の軒下
であれば、問題なく散布が行えます。
ちなみに「米ぬか」はしっかりした密閉容器に入れて冷凍庫で保存します。
食品用ではなく、うどんこ病対策に使うだけでしたら、かなり長い期間の
保存が可能です。
「ぬか水」で完治したリベルラ(散布後12日目)
「ぬか水」を散布したバラは、葉が少し硬くなります。
うどんこ病による葉の変形などは残りますが、散布後すぐに菌糸の生育が
止まり、白く残った菌糸の残骸もやがて剥がれ落ちます。
散布後、葉の表面に残る白い菌糸の残骸を見て、まだ治っていないと思い
込み、間を開けずに繰り返し「ぬか水」を散布すると、葉が委縮したよう
に固くなり、バラの成長が阻害されることがあるようです。
「ぬか水」自体には人やペットなどに害となる成分は含まれていませんが
バラの成長を阻害することがありうるということに留意し、濃度と頻度に
注意が必要です。
↑ ぐうたら者の更新の励みにぽちっとお願い致します。