夏の水やり |
容赦なく西日が当たる南西側も、午前中しか日が射さないけれど風当たりの強い北東側も、毎朝たっぷりと水をやっても、翌朝には鉢土はからからに乾いてしまいます。
小さな鉢(10号鉢以下)で育てているバラの場合、この時期は1日2回(朝と昼前)の水やりが理想です。しかし、仕事をしているとなかなかそうもいきません。早朝はともかく、昼前なんて休日以外は絶対無理。では、どうすればいいのか?
実は管理人の場合、季節に関係なくバラの水やりは朝だけでございます。(^^;
これで間に合わないようであれば、鉢増しして土の量を増やすのが本来のやり方ですが、そうそう簡単に鉢増しすることができないベラバラーの場合、枝葉を減らしてバランスをとります。要は給水量と蒸散で失われる水の量のバランスが取れれば良いので、鉢が小さければ、株を小さくまとめれば無問題なのでございます。
鉢サイズに対してやや大きめに育てたい場合には、成長が著しい鉢と、蕾や花をつけている鉢と、シュートを伸ばしている最中の鉢のみ、状態を見ながら、鉢皿への溜め水(腰水)方式を使います。
*ちなみにこの記事の画像は昨朝撮影した上:アフリカスター(8号鉢で栽培)と下:エブリン(10号鉢で栽培)です。どちらも花径8cm以上もある大輪で咲きましたが、水やりは1日1回朝のみで、鉢皿は使っていません。アフリカスターはコンパクトにまとめていますが、エブリンの樹高は2mを越えています。(^^;
ガーデニングの基本として、湿地帯に生育するものなど一部の植物以外、水やりをした後に鉢皿に水を溜めておく(腰水)のはNGですが、夏のこの時期だけ、極端に水切れするバラにはこの方法を使います。
いや、別にそんなことしなくても、夜帰宅してから水をやればいいのでは?と思う方もいらっしゃると思うのですが、実はバラという植物は夜間に根が加湿になることを嫌います。
そのため、水やりは朝のうち(午前中)に行うのが大原則です。
「バラの育て方は十人十色」「咲いてくれれば多少の掟破りもなんのその」という、かなりいーかげんな管理人ですが、実は「ここダケは絶対守る」というポイントもございます。その中で最も重要なのが水やりに関する大原則。
鉢皿に溜め水をするという、ある意味ガーデニングの掟破りをしても、夜には水をやりません。特に低温期(秋〜春)には色々な病気の原因になるだけで良いことがひとつもないので、夕方以降の水やりは緊急時(いまやらないと明日の朝までには枯れる!っていうくらい緊急のとき…つまり、夜だというのに枝先がぐったりしおれているような状態)以外はいたしません。
まあ、実際のところ、ここまで厳密に「夜間水やり禁止令(?)」を守る必要があるのかどうか分からないのですが(笑、『夕方以降の水やりはバラの生育に良くない』という点に関してダケは、今まで管理人が目にした全てのプロ&栽培本に共通しているのです。例えば、新苗の蕾を摘むかどうかや、肥料のやり方などでは、あちらはAといっているのにこちらではBといっている、なんてことが結構ありますが、夕方以降の水やりを良しとする記述ダケは、みたことがありません。ですから、まず大前提として、夜間に水をやらなくてはならないような状況を作らないようにしています。
そのため、必要な時は腰水方式をとっているのです。その際の注意点は以下の2つ。
(1)鉢皿の水は昼すぎまでに使い切れる量にすること
(2)水が温まらないよう、鉢皿部分は日陰にすること
水の量は、昼過ぎから遅くとも午後3時頃には鉢皿がきれいに乾いてしまう量が目安です。この量でしたら、翌朝までに鉢土の表面は乾いているはずです。夕方まで鉢底が水に浸っていて翌朝も土の表面が濡れているようではいけません。
また、鉢土の底面が床(地面)に直接触れないよう作られている鉢(スリット鉢などにみられるタイプ)ではかなり深さのある鉢皿を使わなくては底面給水ができませんし、必ず鉢皿内に水が残ってしまいますので、あまりこの方法は向いていません。
そのような鉢であえてこの方法を使う場合は、蚊の幼虫が繁殖するのを防ぐため、夜には残った水を捨て、鉢皿を乾かします。
夏季の花が小さくなってしまう理由の1つに水の不足があります。夏場良く蕾をつけてくれる品種には鉢皿を上手に使って水の不足を補うと花びらの伸びやかさが違ってきます。鉢サイズを大きくすることが難しい狭いベランダでバラを育てている週末ガーデナーには、必須のテクニックでございます。お休みの日に、鉢皿に溜める水の量を確認し、上手に利用してみてはいかがでしょうか?
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